西郷隆盛「敬天愛人」の講演会に行ってきました
今日は西南学院大学のコミュニティセンター主催の「西郷隆盛の敬天愛人」の講演会に行ってきました。
そこでの基調講演者は南日本新聞論説・編集委員であった高栁毅氏。
そして曾孫にあたる陶芸家の西郷隆文氏との対談もありました。
高栁氏は「西郷隆盛伝 終わりなき命」を連載したことをきっかけに西郷隆盛の論考を多数お持ちの方です。
西郷隆盛については内村鑑三の「代表的日本人」をはじめ、近年ではNHK大河ドラマ「西郷どん」にも取り上げられ、日本近代史において最も偉大な功績を残した人物であることは言うまでもないことと思います。
しかし本日の講演では今まで全く知らなかった西郷隆盛の真実をいくつも知ることができました。
そのうち最も印象に残ったことは、西郷隆盛は聖書を読み、そして洗礼を受けていたのではないかということです。
これにはいくつかの証言や記録があるそうです。
鹿児島藩士有馬藤太の証言は下記のように記録されているとのこと。
”西郷先生を訪問すると「日本もいよいよ王政復古の世の中なり、おいおい西洋諸国と交際せにゃならんようになる。西洋と交際するにはぜひ耶蘇(キリスト教)の研究もしておかにゃ具合が悪い。この本はその経典じゃ。よく見ておくがよい。」と言いながら書物を貸してくれた。”
それは漢文で書かれた聖書でした。
鹿児島市、川邊家38代目当主は「西郷さんは家に来て耶蘇教を教えてくれた。」と祖父の代からの言い伝えで聞かされていると証言しています。
また、横浜で牧師から洗礼を受けていたという証言もある。口外しないことを約束させ、豚3頭をお礼に差し出したとのこと、まだ関東では珍しかった豚も薩摩であれば納得。信憑性あるエピソードです。
長州征伐での講話、江戸城無血開城に象徴されるよう常に和平を志向した西郷です。
戊申戦争においても私たちが今まで知らされてきていたことも違うのではないか、再度歴史検証が必要なのではと思わされる話もいくつかありました。
陽明学の視点で書かれたと言われている佐藤一斎の「言志四録」を肌身離さず持っていたと言われている西郷隆盛にとって、「汝の敵を愛せよ」というキリスト教に興味を持ち、開国後の日本にとってその教えを学ぶ必要性を感じていたとしても不思議はありません。
最後になぜ会計ソフト「大蔵大臣」のキャラクターに西郷隆盛らしき人物が起用されているのか?
これって結構、疑問に感じませんでしたか??
はぎぷーさん、答えがわかりました!
実は、明治3年に岩倉具視に宛てた意見書の中で、西郷は「会計は経綸の一業欠くべからざるの要枢なり。・・・」と書いており、近代日本で「会計」の重要性を説いた最初の日本人とも言われていることを高栁氏から聞きました。
謎のひとつが解決です!
写真がないなどまだまだ謎も多い西郷の生涯です。
西郷南州顕彰館を一度訪れてみたいと思いました。